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AIの問い合わせ窓口と話がかみ合わないとき、言い直す前にまとめる4つのこと

AIの問い合わせ窓口と話がかみ合わないとき、言い直す前にまとめる4つのこと

AIの問い合わせ窓口と話がかみ合わないときは、言い直しを重ねるより、起きた順番と「してほしいこと」を1通にまとめて、人への引き継ぎを頼むほうが先です。

返金をお願いしたのに、チャットが「現在のご利用状況は正常です」と返してくる。案内された手順が動かないと書いたのに、同じ手順がもう一度届く。サービスの問い合わせ窓口にAIが入るようになって、こういうすれ違いに当たる人は少なくありません。

数字にも出ています。Twilioが9月10日に公表した調査(2026年4〜5月、日本の消費者351人)では、AIとのやり取りで、すでに伝えた情報をもう一度説明した人が54%でした。AIから人の担当者に引き継がれた後も同じ説明を繰り返した人は67%。AIが自分やアカウントの基本的な情報を把握していなかったために、途中で対応をやめた人も50%います。電話窓口のAI対応についての別の調査(アイ・エヌ・ジー・ドットコム、2026年8月、全国1,597人)では、内容が複雑なときや例外的なときは人に対応してほしい、という人が69.3%でした。

僕も8月末から9月にかけて、同じ会社の窓口に2件の問い合わせを出しました。どちらもAIの窓口で話がかみ合わず、1件は9月17日未明の時点でまだ解決していません。なので、うまくいった方法の紹介ではありません。かみ合わなかった理由と、途中で書き方を変えてから何が起きたかをもとに、言い直す前に準備しておくことを書きます。


言い直す前に、1通にまとめる4つのこと

チャットで言い方を変えながら何往復もするより、先に次の4つを1通の文章にしておきます。僕が9月6日に問い合わせを書き直したときも、この形にしました。

  1. 起きた順番を、日時つきで書く。 「うまくいかない」ではなく、「8月29日に申請し、受付メールは届いた。9月6日の時点でデータは届いていない」のように、いつ何をしてどうなったかを並べます。
  2. 案内された手順を試した結果を書く。 窓口が最初に出してくる手順は、たいてい公式ヘルプと同じです。試したなら「その手順は何度も試した。認証は成功するが、元の画面に戻される」と先に書いておきます。
  3. してほしいことと、してほしくないことを分けて書く。 「差額の返金か、同じ価値の付与をお願いしたい」「標準の手順の案内は不要。止まっている申請の原因を調べてほしい」。してほしくないことまで書くのは、同じ案内が返ってくるのを防ぐためです。
  4. 本人確認と、前のやり取りとのつながりをそろえる。 登録している連絡先から送る。すでに問い合わせ番号があれば書く。新しい問い合わせを増やすのではなく、同じ件の続きだと分かるようにします。

そのうえで、AIの窓口では片付かないと分かった時点で、「担当者か専門の部署に引き継いでほしい」と冒頭に書きます。

この1通は、人に引き継がれた後もそのまま貼れます。調査で67%が引き継ぎ後に説明を繰り返していたことを考えると、説明を使い回せる形にしておく意味はあると思います。ただし、これで解決が早まったかどうかは、僕の2件では確かめられていません。


AIの窓口が「今の画面」で答えてしまうとき

かみ合わなかった一つは、9月11日の出来事です。

僕はOpenAIのCodexというAIを仕事で使っていて、使える量には上限があります。作業の途中で上限に届いたので、上限をリセットする権利を追加で買いました。金額は手数料込みで1万2千円くらいだったと記憶しています。リセットして、その日は枠の15%ほどを使ったところで作業を切り上げました。

翌朝起きると、OpenAI側で上限がまとめてリセットされていて、僕の枠も100%に戻っていました。前の日に買わなくても、同じ状態になっていたわけです。そこで問い合わせて、買ったリセットの差額の返金か、リセット1回分の付与をお願いしました。

最初に対応したのはAIでした。返ってきたのは「現在の利用枠は100%です」「99%です」という答えです。枠が満タンなのは、リセットされた後だからです。僕が聞いていたのは今の残量ではなく、前日の購入のことでした。

このすれ違いは、問題が「過去の出来事」なのに、その跡が今の画面から消えていたから起きたのだと僕は考えています。リセットで枠が戻れば、アカウントを見る限り何も問題はありません。自動更新の後に返金を頼む、キャンセルしたはずの請求を問い合わせる、といった場面も同じ形になりやすいはずです。ここは僕の推測で、他社の窓口で確かめたわけではありません。

もう一つ、後から分かったことがあります。OpenAIの公式ヘルプを9月17日に確認すると、この上限リセットの購入は「原則として返金しない」と書かれていました。つまり僕の頼みは、ルールどおりに処理できる用件ではなく、例外として判断してもらう用件でした。例外の判断は、AIの窓口がその場で決められるものではありません。調査で69.3%が「例外的なときは人に」と答えていたのと、同じ場所でつまずいていたことになります。

もう一つの件も似ていました。ChatGPTに保存してきたデータの書き出し(エクスポート)ができなかった件です。設定画面から書き出しを押すと本人確認を求められ、パスキーでもメールでも認証自体は成功するのに、また書き出しの画面に戻される。これを何度も繰り返しました。問い合わせると返ってくるのは、その設定画面の手順です。動かない手順の案内が、繰り返し届いていました。

4つの項目の2番目に「案内された手順を試した結果」を入れているのは、このためです。先に書いておかないと、窓口はまず標準の手順から始めます。


人に代わっても、1回ではつながらなかった

書き出しの件は、設定画面が使えなかったので、8月29日にOpenAIのプライバシー窓口からデータの提供を申請しました。「対応中です。完了したらメールします」という受付メールも届いています。参考までに、公式ヘルプでは設定画面から書き出した場合は最大7日で届き、7日を過ぎたらサポートに連絡するよう案内されています。僕の申請分は、9月6日になっても届いていませんでした。

そこで9月6日に、上の4項目の形で問い合わせ文を書き直しました。起きた順番、症状を再現した日時、認証そのものは成功していること、症状が出る直前にアカウントの保護設定と登録メールアドレスを変えていたこと、既存の問い合わせ番号。求める対応は「止まっている申請の中身を調べて、手動で出すか直してほしい」。求めていないことは「新しい申請」と「標準の書き出し手順の再送」です。直前の設定変更が原因かどうかは分かりません。調べる側の手がかりになると思って書きました。

その後の流れは、作業記録ではこうなっています。

  • 9月6日:ヘルプセンターのチャットに送ると、AIの窓口が「既存の件と重複している」として新しい会話を閉じ、既存の件に戻しました。別の会話では「プライバシーやデータの問題は専門の担当に回せる」と答えたものの、問い合わせ番号を伝えると、そこでも重複として閉じられました。
  • 9月8日:プライバシー担当者の名前で返信が来ました。内容は「登録メールにアクセスできるようになったら連絡してください」。僕はそのメールを普通に使えていたので、誤解が残っていたことになります。
  • 9月9日:「受け取った詳細をさらに確認している。追加の情報が必要なら連絡する」という返信が届きました。
  • 9月17日未明:データの受け取りも、技術担当への引き継ぎも、まだ確認できていません。申請から19日です。

途中で、自分の側の穴も見つかりました。9月12日に送信記録を見直すと、本文では登録アドレスから送っていると書いたメールの一部が、実際には別のアドレスから送られていました。9月9日の午後に送ったメールは、登録アドレスからでした。これが返信の中身に影響したのかは分かりません。9月9日の「確認している」という返信は、そのメールより前に届いているので、つながりは言えません。それでも窓口から見れば、登録メールから連絡してこない人に見えていた可能性はあります。4つ目の項目に「登録している連絡先から送る」を入れたのは、この件があったからです。

人の担当者に代わっても、1回で話が通るとは限りませんでした。僕の手元で言えるのは、1通にまとめた文章があったので、誤解を訂正するたびに説明を一から組み立て直さずに済んだ、というところまでです。


問い合わせをAIに任せるなら、自分で持っておく3つのこと

書き出しの件は、途中から問い合わせの操作そのものをAIに任せていました。9月6日には、パソコンの画面を操作できるエージェントに、ヘルプセンターを開いて1通の文章を送り、人への引き継ぎまで進めるよう頼んでいます。

送るところまでは速く、文面どおりでした。ただ、エージェントは送った直後に「送信しました」と報告して止まりました。引き継ぎはまだ確認できていない段階です。僕は、終わっていないのに報告しないでほしいと返しています。そこから1時間ごとに返信を確認する設定にしましたが、9月8日の昼すぎから12日まではブラウザにつながらなくなって確認が止まり、12日にメールから確認する方法へ切り替えました。

この経験から、問い合わせをAIに任せても自分で持っておくことを3つに絞っています。

  1. 「完了」の線を先に決める。 「送った」「担当者に引き継がれた」「解決した」は別の状態です。どこまで進んだら完了とするのかを決めておき、送っただけの報告を完了として受け取らない。
  2. 何を求めるかは自分で決める。 返金にするのか、同じ価値の付与でいいのか。例外をお願いする内容と金額は、窓口にもAIにも判断を任せず、送る前に決めます。
  3. 外に出す前に自分で読む。 別のサービスで、過去の記事に古い表示名が残った件を問い合わせたときは、エージェントがまず設定を確認し直し、通常の更新でも直らないことを確かめてから問い合わせ文を作り、「送ってよいか」を僕に聞いてきました。この順番なら、的外れな問い合わせを出さずに済みます。

Twilioの調査でも、重要な判断を伴うAIの処理には人の承認が必要だ、という人が50%いました。窓口の向こうのAIにも、自分の手元のAIにも、同じところに線が引けると思っています。


この方法で片付かないこと

僕の証拠は、同じ会社への2件の問い合わせだけです。1件は解決しておらず、もう1件は結果をまだ確認できていません。4つの項目で解決が早まったとは言えませんし、会社によって窓口の作りも違います。

簡単な質問なら、AIの窓口でそのまま片付くことも多いはずです。1通にまとめる手間が見合うのは、過去の出来事が今の画面から見えなくなっている用件、案内された手順が動かない用件、ルールの例外をお願いする用件の3つだと僕は考えています。

パスワードや認証コードは、問い合わせ文にもチャットにも書きません。本人確認は、登録済みの連絡先や、窓口が案内する手順で行います。

契約や請求のトラブルで、会社とのやり取りだけではどうにもならないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。相談は無料で、通話料はかかります。


参考にした資料