DAILY

YouTubeショートの初速が落ちても、チャンネル全体では伸びていた

Podcast ↗

僕はYouTubeショートの初速が落ちて不調だと思っていましたが、全体では過去の動画が伸び続けていたので、やめる前に直近の1本ではなく全体の推移を見てください。

ショート動画を出す。最初の数時間は再生がじわじわ増えていく。ところが1日、2日たつと、数字がほとんど動かなくなる。

そこで多くの人が考えます。「この動画は失敗だった」「アカウントの評価が下がったのかも」。そして、次の1本の内容を大きく変えたり、伸びなかった動画を消したり、投稿そのものをやめたりする。

僕も最近まで、自分のチャンネルは調子が悪いと思っていました。ところが、見る場所を変えたら、ほぼ逆の景色が出てきました。

この記事では、僕が何を見て「不調」と思い込み、どこを見て考えを変えたのか。そして、ショートの再生が止まったように見えたとき、消したりやめたりする前に確かめる場所を書きます。


2日で止まるから、2日に1回出していた

僕はYouTubeでショート動画を運用しています。顔は出していません。

以前のショートは、だいたい2日で勢いが落ちていました。出した直後に回って、2日目あたりで失速する。その繰り返しです。

だから僕は、2日に1回出すのがいちばんいいと考えていました。前の動画の勢いが落ちる寸前に、次の動画を出す。そうすると、チャンネル全体の再生が途切れにくい。実際、しばらくはそのリズムでうまく回っていました。

この運用の前提は「ショートは初速がすべてで、2日たったら終わり」という見方です。当時の僕には、それが当たり前に見えていました。


「調子が悪い」は、直近の動画しか見ていなかったせい

最近、その初速が少し弱くなってきました。新しく出した動画が、以前ほど最初に跳ねない。僕は素直に、チャンネルの調子が落ちていると受け取りました。

ただ、僕はふだんアナリティクスをあまり見ないようにしています。数字ばかり見ていると、日々の上下に一喜一憂して、頭がおかしくなりそうになるからです。見るのは直近の動画だけ。

9月下旬、あらためてチャンネル全体の推移を見ました。すると、全体の再生はずっと右肩上がりでした。

中身を分けると、理由が見えてきます。新しい動画の初速は落ちている。でも、過去に出した動画がずっと再生され続けていて、それが全体を押し上げていた。以前なら2日で止まっていたはずの動画が、止まっていなかったんです。

正直、「全体で見たら絶好調やないかい」と思いました。不調だと思っていた期間、実際には過去の動画が働き続けていたわけです。

ここで一つ、条件を書いておきます。僕はこの期間、同じようなフォーマットの動画を出し続けていました。似た動画が並んでいると、新しい1本を見た人が過去の動画へ流れやすい、ということも起きていたはずです。だから「ショートは誰でも長く伸びるようになった」とまでは言えません。僕のチャンネルで、初速と全体の動きが食い違っていた。確かなのはそこまでです。

それでも、判断は変わりました。直近の1本の初速だけで「不調」と決めていたら、僕はうまくいっていたフォーマットを自分から捨てていたかもしれません。


止まって見えたら、消す前に見る場所

同じように「急に伸びなくなった」と悩む人は多いようです。Yahoo!知恵袋には、1,000再生まで行っていたショートが2〜3再生しかされなくなった、という質問があります(2025年3月の投稿で、閲覧は7,000回を超えています)。

YouTubeのヘルプコミュニティにも、投稿直後の1時間で約400回再生され、その後1年半近くほぼ見られなかったショートが、検索経由でまた見られ始めた、という事例が紹介されています。

止まったように見えた動画が、あとから動くことはある。だからまず、消すのは最後にします。

そのうえで、僕なら次の順番で確かめます。

1つ目は、チャンネル全体の視聴回数の推移です。YouTube Studioのアナリティクスで、期間を28日や90日に広げて見ます。直近の1本が止まっていても、全体が横ばいか上向きなら、チャンネルとしては崩れていません。

2つ目は、過去の動画ごとの伸び方です。新しい動画ではなく、1か月前、2か月前に出した動画の再生が、今も少しずつ増えているかを見ます。増えている動画があれば、そのフォーマットはまだ求められています。

3つ目は、1本ごとの「視聴された割合」と「スワイプして離れた割合」です。YouTubeの公式ヘルプによると、ショートのコンテンツ分析では、ショートを視聴した人とスワイプして閉じた人の割合を確認できます。数値を切り替えると、公開日ごろから時間とともにどう変わったかも見られます。

同じヘルプには、比べ方のヒントも書かれています。うまくいった動画とそうでない動画の両方を見ること。そして、1本ずつを話題になった動画と比べるのは避けること。

僕がやっていた見方は、ちょうどこの逆でした。いちばん新しい1本の、それも最初の数日だけを見ていた。それでは、全体で何が起きているかは分かりません。


冒頭で決まるもの、あとから決まるもの

では、初速はどうでもいいのか。僕はそうは思っていません。

YouTubeのショートについて、僕の今の体感では、いちばん効いているのは冒頭です。フィードに流れてきた瞬間に、スワイプされずに見てもらえるか。その割合が良ければ、その後はだいたい伸びていく。視聴維持率も関係はしますが、冒頭ほど大きくは効いていない、と感じています。

1日に膨大な数の動画がアップロードされる中で、仕組みとしても、まず最初の反応で振り分けるしかないのだろうと僕は考えています。これはYouTubeが公表した仕組みではなく、僕の運用からの推測です。

一方、TikTokは少し違う手ごたえです。冒頭も大事ですが、それ以上に最後まで見られているかが効いている感じがします。TikTokは2020年の公式説明で、長めの動画を最初から最後まで見たかどうかを、関心の強いシグナルとして重く扱うと書いています。僕の体感とも合っています。

だから、同じ動画を両方に出すなら、YouTube向けには冒頭を、TikTok向けには最後まで見てもらえる流れを、それぞれ設計する必要があると考えています。

なお、僕の見方はずっと同じだったわけではありません。7月には「フックとエンゲージメントだけでは伸びなくなった。独自性が重く見られている」と感じていました。今の「冒頭がいちばん効く」という感覚は、独自性のあるフォーマットに入れたうえでの話です。どこにでもある型の冒頭だけを強くしても、同じ結果になるとは思っていません。

整理すると、こうなります。冒頭の反応は、その動画が最初に広がるかどうかを決める。でも、チャンネルとしての成否は、初速の2日間では決まらない。僕が見落としていたのは、後半のほうでした。


当てはまりにくい場合

この見方は、僕のチャンネルで起きたことが元になっています。同じフォーマットを続けていて、過去の動画がすでに一定数たまっている状態でした。

始めたばかりで動画が数本しかない場合や、毎回まったく違う内容を出している場合は、過去の動画が全体を支える形になりにくいと思います。その場合は、全体の推移よりも、1本ごとの「視聴された割合」を見て、冒頭を直すほうが先です。

もう一つ。アルゴリズムは公開されておらず、時期によって変わります。僕自身、数か月の間に見方を変えてきました。この記事の内容も、2026年9月時点で僕が見ている景色です。

ショートの再生が止まって見えたら、まず期間を広げて、全体と過去の動画を見てください。消すかどうかを決めるのは、その後で十分です。


出典