
痩せ薬マンジャロ、1か月で5キロ減って、やめたら3キロ戻った
僕はマンジャロで1か月ほどで5キロ痩せ、力が出なくなって一気にやめたら体感で3キロ戻ったので、ダイエットで使う前に、やめ方と、国の救済を受けにくいことを知っておいてほしいです。
9月22日、「美容目的でマンジャロを使った後の副作用の疑いが35件」というニュースが流れました。SNSでも話題になり、Threadsではこの話題の投稿数が11万件と表示されていました。
もし今、痩せる注射を検討しているなら、あるいはもう打っているなら、気になるのはたぶん「自分は大丈夫なのか」だと思います。
僕はこの薬を、自分のダイエットのために使ってきました。3月に始めて、5月に一度やめて、9月の今も使っています。この記事では、その半年の記録と、今回のニュースを調べて見えた「始める前の計算に入っていなかったこと」を書きます。
始めた理由は「努力で失敗したら本末転倒」だった
3月下旬の時点で、僕のBMIは確か28くらいでした。尿酸値も高く、通っている内科ではずっと「体重を落として」と言われていました。旅行と外食が続いて、食べ過ぎていた自覚もありました。
きっかけは、よく見ている発信者がマンジャロを使っていて、かなり絶賛していたことです。以前、GLP-1系の何かを試して続かなかったこともあったので、AIに「どれが一番効くの」と聞いたら、マンジャロという答えでした。それで、その日のうちにオンライン診療を予約しました。
当時の僕の計算は、こうです。
週1回打って、1か月で4回。費用は確か2万円くらい。高いと思ったけれど、食欲が落ちれば食費が減る。ジムに通うお金と時間と体力を考えると、そんなに変わらないんじゃないか。痩せるのはめちゃくちゃ難しいから、努力して失敗するより、一度ちゃんと効くかを試してみよう。
この時の記録にあるのは、費用と効果の見積もりだけでした。副作用のことも、何かあったときにどうなるかも、書いていません。
最初に効いたのは、体重ではなく気の短さだった
打ち始めた翌朝、シェアサイクルでカフェへ向かう途中に、酔っ払った10代の集団に「この自転車乗らせてもらおうぜ」と絡まれました。
最初は無視していました。でもしつこかったので、途中でこっちのスイッチが入ってしまった。言い返してやろうと向き直ったら、相手が逃げていきました。
同じ日、会計のたびに「ポイント貯めてますか」と聞かれることにも、妙に腹が立っていました。普段はそこまでイライラしません。打って1日目だったので、自分でもおかしいと思って記録に残しました。
一方で、良いこともありました。始めて1週間たたないうちに、食欲が湧かないぶん、いろんなことにやる気が出る感覚があった。お腹が満たされていると動きたくなくなるので、それがないのは楽でした。
4月の下旬には、また強いイライラが来ました。この時は薬に加えて、自分でも意識して食べる量を減らしていて、寝不足も重なっていました。空腹感はあまりないのに、体は空腹だったんだと思います。AIに対してまで腹が立つくらい、全部にイライラしました。
ただ、これが薬のせいなのか、食事を減らしたせいなのか、寝不足のせいなのかは、僕には切り分けられていません。同時にいくつも変えていたからです。
1か月で5キロ。そこで力が出なくなった
5月の中旬には、1か月くらいで体重がマイナス5キロになっていました。内科の先生にも「いいね」と褒められたばかりでした。
ところが、そこで痩せすぎた感覚が来ました。力が出ない。食欲も湧かない。エネルギーそのものが落ちている。それで、一気にやめました。
やめてしばらくすると、体感で3キロくらい戻っていました。差し引きでマイナス2キロくらいです。ゴールデンウィークの前に先生から「気をつけてね」と言われていたのに、体で分かるくらい戻っていた。
この時の僕の感想は「こんな乱高下はまずいな」でした。
もう一度注文しようかとも考えました。ただ、内科に通っている以上、先生に怒られるかもしれないとも思っていた。そして9月の今も、僕はマンジャロを使っています。
なお、「5キロ減った」は僕の申告で、「3キロ戻った」は体感です。数字はその程度の精度で読んでください。
3月の計算に入っていなかったこと
9月22日の共同通信の報道によると、医薬品医療機器総合機構(PMDA)には、この3年余りで、美容やダイエット目的でマンジャロを使った後の副作用の疑いが35件報告されていました。低血糖、膵炎、血液が酸性に傾くケトアシドーシスなどです。報告には、薬との因果関係がはっきりしないものも含まれています。
件数と同じくらい大事なのが、その背景にある厚生労働省の注意喚起です。
厚労省は、マンジャロやリベルサスのような薬は2型糖尿病などの治療のために承認された薬で、美容・痩身・ダイエット目的での安全性と有効性は確認されていない、としています。そのうえで、こうした目的で使って重い健康被害が出ても、適正な使用とは認められず、医薬品副作用被害救済制度の給付を受けられない可能性が非常に高い、と書いています。
つまり、何かあったときの医療費や補償を、国の制度に頼れない可能性が高いということです。
3月の僕の計算には、2万円の費用と、減るかもしれない食費しか入っていませんでした。この「救済を受けにくい」という条件は、どこにも入っていません。3月の記録と今回の注意喚起を並べると、ここがいちばん大きな抜けでした。
痩せる薬を正式に使う道は、BMIだけでは決まらない
では、体重を落とすための薬は使えないのかというと、肥満症の治療薬として承認された薬もあります。マンジャロと同じ成分チルゼパチドの「ゼップバウンド」です。
ただ、厚労省の最適使用推進ガイドラインを読むと、入口の条件はかなり細かく決まっています。
- BMIが35以上、またはBMIが27以上で、肥満に関連する健康障害が2つ以上ある
- 高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のどれか1つ以上の診断がある
- 投与する施設で、食事療法と運動療法を6か月以上続けても十分な効果が出ていない
- その間、2か月に1回以上、管理栄養士の栄養指導を受けている
僕は「BMI28で、内科で痩せろと言われている」という状態から、オンラインで予約して、数日後には打ち始めていました。正式な治療の道は、それとはまったく違う順番で進みます。僕がこの条件に当てはまるかどうかは、僕には判断できません。判断できるのは医師です。
始める前、または続ける前に確かめたい4つのこと
僕の半年を振り返って、もし3月の自分に渡せるなら、この4つを先に確かめてもらいます。
1つ目は、処方される薬が「何のために承認された薬か」です。マンジャロは2型糖尿病の薬です。ダイエット目的なら、それは承認された使い方の外側だと知ったうえで決める。
2つ目は、何かあったときに救済制度の対象になるかです。ならない可能性が高いなら、その分のリスクを費用の計算に入れる。
3つ目は、やめ方です。僕は力が出なくなって一気にやめ、体感で3キロ戻りました。やめる時期と方法を始める前に医師と決めていれば、あの乱高下は減らせたかもしれない、と今は思います。
4つ目は、かかりつけの医師に伝えているかです。僕は内科に通いながら「怒られるかも」と思っていました。その気持ちがあるなら、それ自体が相談すべきサインだったと、今は思います。
今も使っている僕が、いま思うこと
この記事は、マンジャロを勧める話でも、やめろという話でもありません。僕は今も使っていますし、食欲が落ちて助かった場面も実際にありました。
書けるのは、一人の人間がダイエット目的で使い、こういう経過をたどったということだけです。体重の数字は自己申告で、イライラの原因も切り分けられていません。体質や量によって、起きることは人それぞれ違います。
それでも、「痩せたかどうか」だけで損得を計算すると、僕のように大事な条件を落とします。お金と体重のほかに、救済を受けにくいこと、やめたときの戻り、気分の変化。この3つも一緒に天秤に乗せてから決めてください。
体調に異変があれば、自己判断で続けたりやめたりせず、医療機関に相談してください。
出典
- 厚生労働省「マンジャロ・リベルサスなどの2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用による健康被害にご注意ください」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index_00003.html
- 厚生労働省「最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(販売名:ゼップバウンド)」:https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001440799.pdf
- 共同通信「美容目的使用後に副作用の疑い 35件、糖尿病治療薬マンジャロ」(熊本日日新聞掲載、2026年9月22日):https://kumanichi.com/articles/2038512
- 僕の記録:始める前の計算/打った翌朝/4月のイライラ/5月にやめた話