動画の英語化で、僕が生成し直すのをやめた理由

動画の文字を英語に替えるとき、僕は映像を丸ごと生成し直すより、作ったときの素材をClaudeに渡して編集させたほうが、納得できる仕上がりになりました。
日本語の動画を、英語でも見てもらいたい。映像はもうできているので、画面の文字だけ替えれば済みそうです。わざわざ同じものを最初から作るほどの話には見えません。
僕も、そう考えていました。ところが、動画生成AIに任せてみると、文字に小さなミスが出る。作り直すたびに費用もかかる。英語にするだけなのに、思ったより面倒なんですよね。
あとでClaudeに同じ仕事をさせたら、素直に感動する出来でした。そこで効いたと感じたのが、完成した動画だけでなく、制作に使った素材も残していたことです。
英語にしたいのは、声か、画面の文字か
最初にここを分けると、探す道具がだいぶ絞れます。
話している内容を英語で聞ければいいなら、吹き替えが候補です。YouTubeのオートダビングは音声トラックを翻訳して生成する機能で、日本語から英語への対応もあります。ただ、発話がない動画や、発話がごく少ない動画は対象外になる場合があります。
音声に合わせて英語の字幕を出したいなら、文字と表示時刻を持つ字幕ファイルを追加する方法があります。視聴者が切り替えて読む字幕です。
僕が替えたかったのは、映像の中に入っているテロップや見出しでした。声を替えたり、下に英語字幕を足したりするだけでは、画面の日本語がそのまま残ります。そこまで英語版にしたいので、映像側の編集が要りました。
たとえば、商品の使い方を説明する動画で、画面いっぱいに日本語の手順が出ている場合です。音声が英語になっても、その手順の文字は読めないままです。「動画を翻訳したい」と一言で頼むと、この違いが抜けます。
自分が今持っているのは、書き出した動画だけなのか。文字を入れる前の映像や画像、編集途中のデータもあるのか。ここまで見てから方法を選ぶと、僕が遠回りした部分を避けやすくなります。
映像を生成し直すと、替えたくない場所まで仕事になる
僕が最初に試したのは、元の動画を参照させて、英語版を作らせる方法でした。
動画生成AIなら、人物や映像を変えることもできる。だったら映像はそのままで、文字だけ英語にするくらいはできるだろうと思ったんです。
実際、できることはできました。でも、細かなミスがあり、仕上がりに対して費用も重いと感じました。新しい映像を作りたいときなら、その生成にお金を払う理由があります。僕は、すでに作った映像の文字を替えたかっただけです。
そこで、画面の文字だけを翻訳するツールも探しました。試したものでは、翻訳後の文字に置き換えられたものの、背景に少し歪みが出る箇所がありました。見るぶんにはそれほど気にならず、こちらを使ってみようと思いました。
この段階では、文字の後ろをどう補っているかまで確かめたわけではありません。僕が見たのは、文字を替えた仕上がりと、その周辺の小さな歪みです。
完成動画では、文字と背景が一枚の映像にまとまっています。そこから文字を消すなら、文字の裏に隠れていた場所も何とかする必要があります。文字を載せる前の素材があれば、そこを復元しようとする仕事は減らせます。
欲しかったのは、新しい背景でも新しい動きでもありません。もとの映像を気に入っているからこそ、そこは残したかったんです。
同じ素材を使えたら、頼む仕事が変わった
そのあとClaudeに、自分が作ったコンテンツを英語向けに編集させました。テロップ、テキスト、見出しを替えた完成品を見て、「これでいいじゃん。完璧じゃん」と思いました。
僕は制作に使った素材を、クラウドにデータとして置いていました。Claudeも、その同じ素材を使えます。元の作品を見ながら似たものを作るだけでなく、作るときに使ったものへ戻れたわけです。
このとき僕が良かったと感じたのは、同じ素材を使って英語向けに編集できたことでした。新しく面白い映像を考えることと、すでにある映像の文字を替えることでは、任せる仕事が違います。
ゼロからコンテンツを作らせたときには、まだ質が低いとも感じていました。それでも、自分が作ったものを編集させる仕事では、納得できました。生成の出来に不満があるからといって、編集まで全部だめだと決める必要はなかったんですよね。
この試作は、僕が使っていたサブスクリプションの範囲内でできました。だからといって、どのプランでも無料で何本でも作れる、という話ではありません。以前の方法で気になっていた、生成を繰り返すたびの負担を、この作業では感じずに済んだということです。
使うモデルも時期も方法も違うので、素材を残したことだけが改善の原因だと切り分けた比較試験ではありません。ただ、同じ素材に戻って編集するやり方は、自分の手元でもう一度選べます。気に入った映像が出るまで、最初から引き直す必要がなくなります。
完成動画だけを渡す前に、編集できるものを探す
これから自分の動画を英語にするなら、僕ならまず、文字を別に編集できる状態が残っているかを見ます。
元の編集データに文字の項目が残っているなら、その文字を翻訳して差し替える。文字を載せる前の画像や映像があれば、それを土台に英語版を組む。完成動画しかない場合に、文字の消去や置き換えを試す。この順に考えると、変更する必要のない場所を増やさずに済みます。
AIに渡すものも、完成動画だけとは限りません。自分が使う権利のある元の画像や映像、画面に載せた日本語、編集データ。そのうち、作業に必要なものだけを、渡してよい環境で使います。素材を残す話と、何でも外へアップロードしてよい話は別です。
依頼は、たとえば「映像の順番と音はそのまま。画面の日本語を英語へ替える。文字が収まらなければ、その箇所を示して」とすると、何を残したいかが伝わります。これは僕の試作を踏まえた頼み方の例で、この文章を貼れば必ず成功するというものではありません。
仕上がりでは、英語の正しさに加えて、文字が画面からはみ出していないか、日本語だけが取り残されていないか、文字を消した周囲が崩れていないかを見ます。僕が以前気になったのは、まさに文字のミスと背景の歪みでした。翻訳文だけを読んで合格にすると、そこを見落とします。
文字と映像を分けて扱う仕事は、特殊な趣味でもありません。郡山市の多言語動画の制作仕様でも、日本語と翻訳文を対照させ、表示時刻が分かる原稿の納品を求めています。過去の発注仕様の一例ですが、映像とは別に、後から扱える文字を持っておく意味がよく分かります。
英語版ができたことと、海外で当たることは別の宿題
僕は日本語のコンテンツが海外にも届くのを見て、英語向けにすれば、もっと広げられるかもしれないと思っていました。
ただ、海外には競合も多い。ユーモアやコメント欄の温度感をつかむのも難しいと感じています。文字が英語になったから、そのまま海外で面白がってもらえるとは限りません。
実際、僕は英語版を作るにあたって、言葉に依存する回は外すように伝えました。日本語の言い回しそのものが面白さになっているなら、英訳して文字を収めるだけでは、元の面白さを運べないかもしれません。全部を同じ手順に流すより、翻訳しても伝わるものを選んで試す。その選別は、文字を替える作業より前にあります。
今回の話で確かめたのは、自分が納得できる英語版を作れたところまでです。海外での反応や、売上が増えたという成果は、ここでは示していません。英語の自然さも含めて、届ける相手に通じるかは別に見ていく必要があります。
それでも、元の作品まで一から作り直さずに、言語を替えて試せるところまでは来ました。
新しい動画を作るAIを探していたはずが、効いたのは、すでに自分が持っていた素材でした。残しておいて、よかったです。
制作プロセス
このコンテンツは、僕自身の一次情報をもとに制作しています。
出典1:Claudeに自分のコンテンツを英語化させたら、完璧じゃんと思った
出典2:動画の多言語展開で試した2つの方法
AI活用
制作には、以下のAIモデルと僕の声をもとにしたAI音声を使用しています。
文章:ChatGPT
台本:Claude Opus 5.5
音声:Gemini 3.8 Flash TTS
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