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動画の翻訳は英語からでいいのか。届いた国を見た

自分の動画を海外にも見てもらいたい。そう思って「動画 翻訳」あたりを調べると、答えはほぼ決まっています。タイトルと概要欄を英語にして、字幕を付ける。最近はAIの自動翻訳と自動吹き替えもあるので、そこまで含めて三点セットにしよう、と。

僕もそのとおりにやりました。TikTokに出しているショート動画のタイトルを英語にして、動画の中の文字を外す。ハッシュタグは使っていません。3日ほどで、視聴者の日本比率は93.3%になりました。普段のフォーマットだと98〜99%を占めるので、確かに下がっています。翌日には89%ぐらいまで来ました。

想定と違ったのは、下がった分の行き先でした。

届いた先の一覧で手が止まった

93.3%だった日のアナリティクスで、日本の次に大きかったのはアメリカの4.5%。そのあとに韓国、ベラルーシ、ブラジル、インドネシア、メキシコ、マレーシア、タイ、台湾が並んでいました。翌日にはブラジルが2.6%まで上がっていて、しかもサンパウロが多い。

英語にしたのに、名前が並んだ国のほとんどは英語圏ではありませんでした。

そこで一度、全部翻訳する未来を想像しました。ポルトガル語、インドネシア語、スペイン語、タイ語、韓国語。だりーな、と思ったんですよね。

対応表の時点で足りない

YouTubeの自動吹き替えのヘルプには、原語と吹き替え先の対応表が載っています。原語が英語なら、アラビア語、ヒンディー語、ポルトガル語、スペイン語など20言語が自動で作られる。原語が日本語の場合、用意されているのは英語だけです。

日本語の動画が自動翻訳で乗れる相手は、いまのところ1言語。僕の動画が実際に届いた先は、そこからこぼれる国のほうが多かったことになります。

同じヘルプには、対象外になる条件も書いてあります。発話がない動画、音楽だけの動画、話している量が非常に少ない動画は、自動吹き替えが作られません。

読んだとき、笑ってしまいました。僕が作っている形式の動画は、そもそも対象外です。人が話している音声がないので、吹き替えるものが存在しない。制約だと思って読んでいた条件が、そのまま「翻訳する対象が残っていない動画」の説明になっていました。画面の文字のほうは、最初のアレンジで自分で外しています。

タイトルも絵文字だけにした

中身はもう非言語になっている。残っていたのはタイトルだけでした。だからタイトルも絵文字だけに変えて、今度はFacebook、Instagram、Threads、Xにも同じものを出しました。

理由は単純です。絵文字だけでコメントしてくる海外の人が、結構多い。絵文字だけのタイトルというのはあまり見かけませんが、ワンチャン通用しそうだなと思いました。

コメントが入れ替わった

Facebookは、これまで日本人の視聴者が中心の場所でした。パイが小さいので、再生もそこまで回りません。今回来たコメントは、ほとんどが海外からでした。日本語のコメントは1件だけ。プロフィール画像を見た限りでは東南アジアが多そうで、海外のフォロワーも増えました。日本より海外の視聴者のほうが反応がいいくらいです。

TikTokは、インサイトの内訳が動きました。これまで戻ってきた視聴者が90数%を占めていたところが、新しい視聴者が約20%、戻ってきた視聴者が約80%になっています。

タイトルを英語にした段階で動いたのは、98〜99%が93.3%になり、翌日89%になった、その幅です。タイトルからも言葉を抜いたら、コメントの言語そのものが入れ替わりました。手応えとしては、後者のほうが大きく感じています。

分からないままのこと

法則として渡せるほどの証拠はありません。

TikTokでは、アプリ内のアシスタントに「海外向けに作ったのに、なんで海外の視聴者が増えないの」と相談した後に海外が増えました。相談が効いた可能性もあるので、そこの因果は切り分けられていません。Instagramの数字も伸びていますが、Metaのビジネス管理画面からFacebookと一緒に投稿しているため、再生回数が合算されている可能性があります。単体では診断できない状態です。

Facebookは、日本語の1件は数えましたが、残りの総数は数えていません。国はプロフィール画像を見た印象で、同じ条件で比べられる前の投稿もない。フォロワーが増えたことと反応がいいという感触も、数字で並べたわけではありません。新しく入ってきた約20%が海外中心なのかどうかも分かりません。ThreadsとXの結果は、まだ手元にありません。

ついでに書いておくと、ビリビリにも同じ動画を出しました。再生回数は2。2です。自分でタップした分が入っていそうなので、実質ゼロだと思います。

言葉は何枚剥がせるか

やったことを整理すると、多言語化ではありませんでした。世界標準化、非言語依存にした、という感じです。言語を足すやり方は、相手の数だけ回数が増えます。10言語なら10回ぶん。言葉を抜くほうは、一度やった結果が並んだ国全部にそのままかかりました。想像していたのと、手間のかかり方が逆だったんですよね。

なので、字幕の言語を選ぶ前に見ておけるものがあります。自分のコンテンツのうち、意味を運ぶために言葉に頼っている部分がどれだけあるか。僕の動画は、たまたま最初からそこが薄かっただけです。言葉そのものが中身であるコンテンツは当然あるし、そちらには何も当てはまりません。ただ、2言語目を足す前に、剥がせるほうを先に見ておく手はあります。