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なぜ100万再生の動画が、Instagramだけ1万で止まるのか

【2026年9月12日訂正】AIラベルの影響をほぼ0%とした表現、他媒体の反応からInstagramでの品質を証明したような表現、再発を因果の証明とした表現を修正しました。主因とみなす判断の撤回と、影響がないことの証明を区別します。

同じショート動画を、YouTube、TikTok、Instagram、Facebookへ同じ日に出しています。

ここ2ヶ月で多いのは、こういう出方です。YouTubeで100万再生、TikTokも伸びる、Facebookも伸びる。Instagramだけ5,000から1万のあたりで止まる。伸びなかったというより、途中でブレーキを踏まれた止まり方をします。

前はこうではありませんでした。Instagramはほとんど放置していた媒体で、YouTubeで伸びたものを持っていくだけ。それで数十万から100万、たまに数百万まで普通に回っていた。AIで全媒体へまとめて配信できるようになったので再開して、そこからこの止まり方が出ています。

同じファイルが、同じ日に、他の3媒体では回っています。ただ、媒体ごとに見る人も見られ方も違うので、それだけでInstagramでも中身が十分だとは言えません。

逆もあります。YouTubeでもTikTokでも大して伸びなかった動画が、Instagramだけ大きく伸びる。良い順に同じだけ伸びる、という関係になっていない。


AIラベルがInstagramの伸びない原因という説を取り下げる

AIで編集した画像をInstagramへ上げると、「AI情報」という表示が自動で付くことがあります。8月末に、この表示が付かない形へ写真の出し方を変えたら伸び出した、と書きました。写真だけでなくリールまで伸びたので、これがブレーキだったのではないかと。

いま振り返ると、同じ時期に写真投稿そのものを始めています。それまではリールしか出していませんでした。変えたものが2つある状態で数字が動いたので、どちらが効いたのかは切り分けられていません。

僕は、AIラベルを伸び悩みの主因とみなすのをやめました。表示の有無と再生数の関係を切り分けられておらず、直接の影響がゼロだと確認したわけではありません。


次に何を疑うかを決める、自分用の1万という目安

数字を切り分けるとき、僕は1万インプレッションを境目に使っています。Instagramが公表している基準ではありません。大量に投げてきた中で使うようになった、自分用の目安です。

1万に届かない。このときは、まず作っているものを疑います。需要がないか、面白くないか、反応されていないか。ラベルやアルゴリズムを持ち出す前に、中身を変えたほうが早い。

5,000から1万までは届くのに、そこから広がらない。この出方では、中身に加えて推薦の条件も確認するようにしています。

僕が見ているのは後者に近い出方です。ただし、この数字だけでは、推薦で制限されたのか、Instagramの読者に合っていないのかは決まりません。


Instagramのアルゴリズムはオリジナルコンテンツを優先している

Instagramが2024年4月30日に出しているのは、同じコンテンツが複数見つかったら元の投稿だけを推薦する、コピーは元の投稿に置き換える、という方針です。2026年4月30日には、非オリジナルの投稿が中心のアカウントを推薦の対象外にする扱いを、リールだけでなく写真とカルーセルへ広げたと発表しています。回復の条件は、直近30日の投稿の大半がオリジナルと判断される状態に戻ること。

オリジナルとされるのは、自分で撮ったもの、自分でデザインしたもの、他人の素材でも実質的に編集して意味のある価値を足したもの。足りないとされるのが、枠を付ける、透かしを入れる、速度を変える、元の投稿者をクレジットするだけ、といった編集です。ミームについては、独自のテキストや編集や声を重ねて自分のものにしているなら原作だと書かれています。

2026年1月には、米国のInstagramでおすすめの75%がオリジナル投稿になったとMetaが公表しています。前の四半期から10ポイント上がった、という言い方です。

この一連の文章に、質という言葉は出てきません。良いかどうかではなく、既にあるものと同じかどうかで線が引かれている。

YouTubeとTikTokで反応が取れたことは、それぞれの媒体での観測です。Instagramでも同じ品質評価になる証明や、推薦の手前で止められた証拠にはなりません。本文の内容と推薦資格は、両方を確認したいと思っています。

媒体差はもちろんあります。ユーザー層も推薦モデルも開く目的も違うので、YouTubeで100万ならInstagramでも100万になるはずだ、という話ではありません。作り手と素材と公開日が同じでも、視聴者や見られる文脈の違いは残ります。4媒体の比較は、その差を考える手掛かりです。


Instagramのオリジナル判定は、全体ではなく細部を見ているのか

公式の例を並べて気づくのは、どれも作り直せという話ではないことです。独自のテキストを重ねる。新しい情報を持つグラフィックを足す。声を乗せる。足されているのは一箇所です。

海外のアカウントで、動画のつなぎの部分だけを独自のアニメ調にして再生を取っているものを見ました。TikTokの基準も、細部に独自の編集や視点が入っているかという書き方だったはずです。

なので今は、オリジナル判定が見ているのは全体ではなく細部じゃないか、と疑っています。全部を自分で作ったかどうかではなく、自分で作ったものが入っているかどうか。転載を集めてテロップを乗せただけでは足りないが、つなぎの一箇所に自分固有のものを入れることで変わるのではないか、という仮説です。

Instagramは細部という言葉を使っていません。僕がそう読んでいるだけで、検証もまだです。ここの解像度を上げるのが、今いちばんやりたいことです。


写真投稿の直後に、リールが200万再生まで伸びた

もう一つ、説明できていない観測があります。

写真投稿に関する収益化の案内が来たので、それまで一度も出していなかった写真を1本出しました。その直後に、それより前に出していたリールが一気に伸びて、200万再生あたりまで行った。YouTubeで100万、TikTokで数十万という、僕の基準では特別な当たりではなかった動画です。

因果は分かりません。写真から入った人がリールへ回ったのかもしれないし、アカウントに対する評価の付き方が変わったのかもしれないし、Instagramの中で写真とリールの扱いが以前より近づいているのかもしれない。ただの偶然かもしれない。1回しか見ていないので、写真を出せばリールが伸びる、という話には変換できません。

ちなみに写真の側は、1投稿で50万インプレッションあたりまで届くようになりました。僕のアカウントでの数字です。


AIラベルへの視聴者の反応も確認したい

AI関連の表示への反応も、引き続き確認したいと思っています。推薦への直接の影響と、表示を見た人の反応は分けて考えます。

コメント欄を見ていると、AIコンテンツへの反応ははっきり割れます。AIだと分かったうえで楽しんでいる人と、嫌悪感を持つ人。AIを隠して人を騙しているように見えるものと、AIを見せたうえで面白がらせるものでは、返ってくる言葉が違う。

コメントや反応が評価に入っているのはどの媒体でも同じなので、人間の反応が悪くなればその先に響くことはあり得ます。ただし、ここで観察しているのは視聴者の反応です。表示が推薦に直接与える影響の有無は、この観測だけでは分かりません。

貼られる側の条件も変わってきています。僕はChatGPTで画像を生成・編集していて、ファイルとして保存してアップロードするとAI情報が自動で付く、ブラウザでコピーして貼ると付かないことがある、という経験を何度もしてきました。OpenAIの説明を読むと、対応する画像にはC2PAのContent Credentialsと、SynthIDという目に見えない透かしの両方が入っている。メタデータはプラットフォームや編集ツールや変換で外れることがあるが、透かしのほうは内容そのものに入っているので一部の編集や変換を経ても残り得る、と書かれています。Metaの説明では、ラベルに業界で共有されるシグナルや本人申告を使います。僕が見たアップロードごとの違いだけで、検出方式全体は特定できません。

消して回るより、自分が元データの作成者だと第三者に検証できる形で残しておくほうが合理的だと思っています。


オリジナルコンテンツ優遇は、AIコンテンツを増やす

ここからは観測ではなく、僕の見立てです。

オリジナルを優遇する方針そのものは、はっきりしています。ただし、独自性は推薦を保証する条件ではなく、AIで作っただけでオリジナルと認められるわけでもありません。

詰まるのはその次です。

AIが作るものにも元がいります。撮っている人、自分で組み立てている人が出したものが素材になる。今までは無断転載という形で他人のコンテンツが回っていましたが、これからは改変という形で回る。転載は元が残るので見れば分かる。改変は残りません。元を出した人は、素材を出しただけの人になります。金は入りません。

数で見ると、素材を作る側より加工する側のほうが多くなります。1本の元から何本でも作れる。オリジナルを優遇した結果、オリジナルを材料にしたAIコンテンツで埋まる、という順番になる。

じゃあAIを規制すればいいかというと、そこも詰まっている。オリジナルを投稿している人自身が、もうAIを使っているからです。撮るのは自分、編集はAI。この人たちを止めずにAIだけ止める線は、引けません。結果として、AIを使いこなしている人が数字を取る。

面白いかどうかを決めるのは、プラットフォームではなく見る側です。人が作ったものよりAIが作ったもののほうが面白いと消費者が思うなら、そっちへ流れる。Instagramがオリジナルという看板を貫くのは筋としては分かりますが、経営判断としては間違っているんじゃないかと僕は思っています。看板を守るほど、離れる人が出る。

方向としては、ネットはAIが作ったもので埋まるほうへ行くと見ています。


Instagramで次に検証すること

同じ素材を、すでに大量に流通しているフォーマットへ寄せた形と、細部を自分固有の編集に変えた形の両方で出して、差が出るかを見ます。

1万という数字は、僕が次に何を疑うかを決める運用上の目安です。原因を分ける境界ではありません。AIラベルを主因とみなすのをやめ、内容と推薦条件の両方を確認していきます。

写真をもう一度出す日が、いちばん近い。前と同じことが起きれば、追加の手掛かりになります。2回起きても因果の証明にはならず、起きなくても前回の原因は決まりません。条件を残して、観測を増やしていきます。