DAILY

VIVANTは「ヒットしてない」と思ったら、最終回19.6%だった

Podcast ↗

Netflixで見たVIVANTを僕は「ヒットしていない名作」だと思いましたが、テレビでは最終回の視聴率が19.6%あり、届く道が違っていただけでした。

先日、Netflixで何かいいドラマはないかなと探していました。研究がてらです。そこで目に入ったのが『VIVANT』でした。

自分から見たいと思って選んだわけではありません。「あ、半沢直樹に出てた人だ」くらいの理由です。期待もしていませんでした。

見始めたら止まりませんでした。最初は上場企業の誤送金の話で、そこからスパイ、機密情報、国際問題、テロへと、どんどん話が広がっていく。推理小説みたいに裏切りが何度も来るのに、全部がちゃんとつながっている。見ながら、すげえプロだなと思いました。構成のレベルが高いんです。

ただ、同時にこうも思っていました。これだけ面白いのに、Netflixでちょこちょこ出てくるヒット作に比べたら、全然ヒットしていないよな、と。


中身は良いのに、なぜ届いていないのか

見終わってから、僕なりに理由を考えました。

まず気になったのは、お金のかかり方です。ロケ地にはすごくお金をかけているのに、ほかのところでは見せ方を工夫して、コストを抑えている感じが画面から伝わってくる。Netflixのオリジナルでヒットしているドラマとは、お金の流れ方が違うように見えました。

テーマも違いました。少し前にNetflixで見た『ダウンタイム』は、美容整形の話でした。今は整形する人も、整形を批判する人も多いので、テーマとして時代にマッチしている。VIVANTは、テーマが社会の関心とつながっていたかというと、僕にはそう見えませんでした。

そして、作品にたどり着くまでの動線です。僕自身、VIVANTを知って見たのではなく、たまたま俳優の顔で選んでいます。その前の段階の道が弱いんじゃないか、と思いました。

逆の例が『ちいかわ』でした。Netflixにあったので、一応見ました。正直に言うと、僕は別に面白くはなかったです。1分から5分くらいの短い話をいくつかまとめて出している形でした。それでも見られているのは、ちいかわというキャラクターにもうファンがついていて、IPがめちゃくちゃ強いからです。

中身では、僕の中でVIVANTの圧勝です。それでも見られ方では、ちいかわのほうが強く見える。ヒットは中身だけでは決まらなくて、予算、テーマ、マーケティング、そこまでの動線が全部そろって、意図的に作られるものなんだなと感じました。中身はめちゃくちゃ良かったのに。

これはドラマだけの話でもないと思っています。たとえば僕がAIでドラマを作って、すげえ完成度のものができたとします。それでも、テーマ性や、見る人がそこへたどり着くまでの道を緻密に組んでおかないと、ヒットするのは難しい。NetflixだけでなくYouTubeの動画も、たぶん全部そうです。ショート動画だけは少し別で、アルゴリズムをハックすれば基本的には回るんですけど。


数字を見ると、話が半分ひっくり返る

ここで、実際の数字を見ておきます。

VIVANTは2023年にTBSの日曜劇場で放送されたドラマで、2023年9月17日の最終回は世帯平均視聴率19.6%でした。番組の最高を更新した回です。今の連続ドラマでは、かなり高い数字です。

しかも今年、続編が放送されています。第2シーズンは2026年7月26日に始まって、2クール連続の放送です。9月27日は休みで、10月4日から後半に入りました。ちょうどこの週、「日曜劇場 VIVANT」の検索が伸びていて、SNSでは後半の展開を考察する声も出ています。

僕は見ながら、「少なからず大ヒットはしてないわけじゃん」と思っていました。テレビの側では、ちゃんと大ヒットしていたんです。

届いていなかったのは、当時の放送を知らなかった僕のほうでした。

これで、僕の見立てが全部外れたかというと、そうでもないと思っています。同じ作品が、テレビではたくさんの人に届いていて、Netflixで探していた僕のところには、俳優の顔という細い道でしか来なかった。中身は同じです。違うのは、どの道を通って届くかだけです。

ヒットしているかどうかは、作品についている性質というより、どの道から見るかで変わる。VIVANTで僕が見たのは、たぶんそっちでした。

ちなみに第2シーズンを追いかけるなら、地上波の放送後はU-NEXTが見放題で独占配信していて、TVerとTBS FREEでは翌日から約1週間、無料で見逃し配信があります。第1シーズンは、僕が見たとおりNetflixにもあります。


僕の記事でも、同じことが起きていた

この話が他人事に思えないのは、僕自身が同じところでつまずいていたからです。

僕はAIを使って、毎日記事を出しています。9月のはじめまで、記事は自分の体験から作っていました。今日はこんなことがあった、だからこれを書く、という順番です。感触はそんなに良くありませんでした。

9月5日、試しに順番を逆にしてみました。僕が使っているStarlinkについて、まず検索される言葉を軸に置いて、バッチバチに検索向けの記事を作る。自分の体験は、その言葉で調べている人への答えとして後から足す。

日本語版の反応はそれほどでもありませんでした。ところが英語で出したMediumでは、それまで一度もいいねがつかなかったのに、いいねとコメントがつきました。

理由まではまだ分かっていません。Starlinkが人気なだけかもしれないし、導入するか迷っている人がいたのかもしれない。僕がどの機器をどうつないで、どんな流れで仕事をしているかという一次体験に、価値を感じてもらえた可能性もあります。それでも、そのとき僕が残したのは、記事の最適解は内容を先に作ることじゃなくて、まず需要から始めることなんだな、という言葉でした。

VIVANTで言うテーマや動線を、僕は記事ではほとんど考えていなかったわけです。自分の体験という中身から先に作って、誰がそれを探しているかは後回しでした。

ショート動画のほうでは、逆に道を先に取ったことがあります。フォーマットとジャンルの組み合わせには、最初にそこを取った人が強いというポジションがあって、うまくいくやつは1000万再生くらいまでバコーンといく。僕の感覚だと、1000万回再生されればフォロワーがだいたい1万人増えます。そこで母体が取れてしまえば、そのあとに出す動画もずっと回る。

僕が出した1本が1000万再生くらいまでいったのも、そのフォーマットに何が求められているかを先に読んで、そこへ合わせたからでした。


届かないときは、中身より先に道を疑う

VIVANTの件で僕が持ち帰ったのは、良いものが届かないとき、まず中身を疑わなくていい場合がある、ということです。

何かを作って出しても反応がないとき、人はだいたい中身を直したくなります。

でも、VIVANTは中身を直す必要なんてなかった。同じ中身で、テレビでは大ヒットしていたわけです。足りなかったのは、Netflixで何かないか探している人のところへ届く道のほうでした。

自分の動画でも、記事でも、仕事の企画でも、反応がないときは、まず二つを見てみてください。それを探している人が、今の社会にいるか。いるなら、その人がいる場所まで、作ったものが届く道があるか。そこに答えられないうちは、中身をいくら磨いても、VIVANTを知らなかった僕みたいな人には届きません。

中身はめちゃくちゃ良かったのに、と書いた僕の感想は、半分だけ正しかったんです。中身は良かった。届いていなかったのは、道のほうでした。


制作プロセス

このコンテンツは、僕自身の一次情報をもとに制作しています。

出典1:VIVANTを見て、いい作品を作ることとヒットさせることの違いを感じた
出典2:記事は、自分の体験より先に需要から作る
出典3:フォーマットとジャンルのポジションを取ったら、ずっと回る

AI活用

制作には、以下のAIモデルと僕の声をもとにしたAI音声を使用しています。

文章:Claude Opus 5.5
台本:Claude Opus 5.5
音声:Gemini 3.8 Flash TTS

ニュースレター

今週の大事な変化と、それをどう判断し、どう動いたかを毎週まとめています。

購読:Weekly Revolution